「バルテュス展」「ジャック・カロ リアリズムと奇想の劇場」

「バルテュス展」「ジャック・カロ リアリズムと奇想の劇場」行って来ました。

一日で両方見たんですけど、足が辛かったですね。
「バルテュス展」は地下一階、地上二階をくるくる回るのでハイヒールはおススメしません。

まずは「バルテュス展」



「眠る少女」はよかったなー。服着てるときの絵の方がエロスを感じる気がする。
あと、〜のための習作って書かれている作品の方が色を塗ったのよりもエッチだった気がします。
モデルがいて、それをみて描いた絵だからなんでしょうかね。自分でもよく分からない。

少女の絵よりも「窓、クール・ド・ロアン」とかが好きです。
個人的にぜひともおススメしたいのが「伊勢海老」の絵。なんだかとてもリアルで食べたくなりました。

バルテュスって、すごい絵が上手な画家ってわけじゃないと思うんですよね。
でも、一枚一枚訴えかけてくるものがある気がします。

そうそう、会場にあったアトリエの再現も良かったです。





つぎに「ジャック・カロ リアリズムと奇想の劇場」



あの細かさで版画だというのだから恐ろしい。細部をみるなら虫眼鏡は必須です(会場にありました)

連作<キリスト・マリア・使徒立像>と連作<乞食>は大きさとか手法は一緒なのに、受ける印象が違いました。
何でしょう、神に愛されたものと愛されないものとの違いといいますか。世は理不尽だなと。

連作<戦争の悲惨(大)>は(語弊はあるかもしれないけど)よかったですね。
タイトルそのものが版画から伝わってきて、なんともいえない気分になりました。

この二人だったら、私はジャック・カロが好きかな。
版画が好きだというのもありますが、何より作風がジャックの方が好み。

「ジャック・カロ」同時開催の「非日常からの呼び声」で、思いがけずヴィルヘルム・ハンマースホイが見れたのもよかったです。
(ずっと前に見逃したのです)

両方とも見て楽しい展覧会でした。
まだ会期中ですので、良かったら見てみてくださいねー。

「アナと雪の女王」



ネタバレ、特に結末バレ注意!

見に行って来ました。
珍しくパンフレット買ったぐらい、期待が大きかったです。
(中身が盛大にネタバレなので注意。結末バレしてるのには思わず笑いました)

前評判の通り、いい映画でした。映画館で見た方がいい気がする。
作中、あまりの映像美に鳥肌が立ちました。

ストーリーですが、一言でいうなら「お姉ちゃん、家出する」ですね(身も蓋もない)。
従来のディズニーの、ヒロインが男の子とくっついて終わりって作品ではありませんでした。

『凍った世界を救うのは――、真実の愛』なんていうから、てっきり恋愛のお話かと思ってたんですよね。
でも、恋は添え物でした。異性愛を主軸においてない印象。

私は自分が姉妹の姉なので、エルサに感情移入しながら見ました。
持ちたくも無い能力を持ち、それのせいで妹を傷つけ、自分に自信を持てず、一人って辛いですよね。

そんなときに、(不可抗力とはいえ)親が先に死んでしまうのはなー。
父母は、自分たちが同時に死ぬ想定がなかったんでしょうか。

そうだとしたら、国を治めるものとしては危機管理が十分とはいえない気がする。
父は賢王の印象があるんだけど実はぽわんなんじゃないかと思っています。

勝手に結婚を決めたアナに対して、エルサが怒ったけど、そりゃあ怒るなーと。私でも怒る。
挑発の言葉もひどかったし。

それにしても、世間知らずな娘が変な男にひっかかるっていうのすごいリアリティある気がします。
最後、ハンス王子が突き落とされたとき、ちょっとスカッとした。

エルサの戴冠式の格好は、"good girl"としての衣装だったんじゃないかと思います。
華美でなく、素直な娘としての格好。
山に逃げて、氷のお城を建設した後の衣装は、デコルテも出てるし、手袋はないし、髪もおろしてる。
親からの「感情を制御しろ」っていう抑圧から解放されたからか、表情も豊かで可愛い。
自由になったエルサはホント綺麗だと思います。

"let it go"には「これでいいの」と日本語歌詞がふってありましたが、これは結局自分を納得させるための言葉ですよね。
良いと言いつつも自信がない。
選んだというよりそうするより他なかったから逃げて「これでいいの」と納得させようとする。
妥協している感じを受けますね。当たり前か。

誰にも本当のことを言えず、理解がないからひきこもるってまんま現実の世界ですよね。
見ていてこころが痛かった。
エルサは助けてくれる人がいたからよかったけれど、実際はそんなこと滅多にないのだから世知辛いなと思います。

話題が逸れましたね。

戦闘シーンも良かったです。
雪での攻撃が多彩。表現もすごかった。

最初の氷を切り出すシーン好き。雪だるまのシーンも。
エルサが湖を凍らせながら走るシーンもよかった。

ラスト、『真実の愛』なんていうから、クリストフとアナがキスするのかと思いきや、そこはきちんと裏切られた。
(実は、アナとエルサがキスするのかと思って「ディズニーGJ!」と滾ったけど違った。残念なんかじゃないぞ!)
今までのディズニーなら考えられないですよね。

ロマンスはある。けど、それは二人の姉妹の物語には些細なことなのですよ!
こういうシーンは他の作品と違っていいなー。

オラフはエルサが生み出したものだから、アナのことがすごい好きなんだろうか。
作中彼がいたからか、中だるみなどもなく、テンポよく見ることができました。

映像も音楽もよかった。
後半はミュージカル要素が足りないような気もする。

でも、全体を通して高クオリティで好き。
吹き替え版、3D、それぞれ見に行きたいです。
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「風立ちぬ」

話題のジブリ映画、見に行ってきました。
これほどまでに見る人によって評価の分かれる作品は久々でした。

私はどちらかというと批判的です。

いつもは適当に感想を垂れ流していますが、今回「創作者として、女として、腐女子として」の三本の柱に沿って、ゆるく時に激しく語っていこうと思います。



【創作者として】


全編を通してマニアによるマニアに向けた映画でした。
子供向け映画では断じてない。

宮崎駿も死期が近いのか(失礼)、作りたいものを作った感じ。
分かられようと思ってないから、大人(私)にも難しいものでした。

没頭型の天才・二郎より、努力型の本庄の方が身近で好き。
でも、世に台頭するのは二郎みたいな人間ですよ。解せぬ。

堀越二郎の情熱は一直線って感じですね。
でも、熱くないの。静かなる情熱。こういうタイプが一番怖い。

鯖の骨の曲線の美しさにずっとこだわってたなー。
ああいうこだわりと情熱を持った人間しか、創作者として成功しないのかもなと思わされましたね(穿った見方)。

けれど、二郎の創作人生は、試合に勝って勝負に負けた感じでしたね。
美しい飛行機は出来たけれど、見て欲しかった人はいないし。
菜穂子を犠牲にゼロ戦を召喚した結果、デュエルに負けた感じ。

あははザマーミロ負け犬ーと揶揄するのは簡単ですが、もしかしたらラストのあの姿は30年後の私かもしれないから恐ろしい。
何かを作っている以上、あんな風になる可能性はゼロじゃないかなーなんて。

作中のカプローニが、「飛行機に乗れなくても作ることはできる(意訳)」って感じのことを言ってた気がするんですけど、道は一つじゃないなんて外野から見たら当たり前のことなんですよね。
でも、それに本人は気づかなかったりする。
好きでいるということに、関わりたいと思う気持ちに優劣はないんじゃないかと励まされました。

他にもカプローニは「創造的人生の持ち時間は10年。君の10年を力を尽くして生きなさい」と言ってたんですが、これには落ち込みました。

言いたいことの趣旨は分かりますが、宮崎駿がそれを言うのかって気がしますね。
宮崎駿自身の持ち時間はどうなんでしょう。

「僕の時間は終わっちゃったけどね。君は頑張れ」も嫌だし、
「僕の時間は10年じゃないけどね。凡人と一緒にするなよ。てへぺろ」だったらいっそ殺意が沸く。

人間、トシをとると説教臭くなって嫌ですね。
悔いのないように作れってことなのでしょうが、うーんって感じ。

ワシは今何年目にいるだろうか。そもそもスタートすらしてないのか。
私気になります!



【女として】


終野はお互いに尊敬のない恋愛が嫌いなんですけど、これはまさにそのパターンでしたね。
菜穂子は二郎のことを尊敬しているけれど、二郎は見た限りでは感じられなかったなー。

愛玩とか、執着は感じられたけど、対等な人間として尊重されているとはどうも思えなかった。
お気に入りのペットって感じ。
菜穂子のシーン全部ゴールデンレトリバーにしても違和感ないんじゃないかな。

菜穂子に対して気遣うそぶりもあったけど、それは他の人への態度と比べるとマシなだけで、一般的な感覚から言ったらもうちょっと気利かせなきゃ振られると思うんですけどね。

ああでも、現実にも二郎みたいな人物っているんですよ。
なんていうか、対象物以外見えてなくて、誰に対しても平等な人。

けれど、恋愛はそれじゃ駄目なはずだよなー。

菜穂子が自分の死期を悟って姿を消してしまうところだって(余談ですけど猫っぽい)相手の意思を尊重しているから追いかけないんじゃないんですよ。
二郎は興味がないんです。

だから追いかけないし、約束は守らないし、話も聞いてない。
典型的駄目な男です。

誰かが言ってた『鬼畜眼鏡』という評価は妥当ですね。
「菜穂子さんあなた、この人のどこが好きね?」と田舎のおばちゃんよろしく聞きたい気分です。

映画のラストもいい話風になっていますが、私は首を傾げましたね。
二郎の妄想の中の菜穂子は「生きて」って言ってますけど、うーん。

男による男の願望映画かなって。
(これはちょっと乱暴かもしれない)

だって、妹も菜穂子も「都合のよい女」って印象を受けるんですよ。

そもそもいい所のお嬢さんがあんな年齢まで結婚してないなんてことありえるのか。
病気にはかかってるけど年頃の娘なんだから、家のために結婚させられたりしないのかなー。
菜穂子の父は菜穂子>家なのか。いい人? いや、彼は始終いい人だったけどさ。

この登場人物全員イイコちゃんな中、二郎のひどさが目立ったなー。
創作者としてはいいかもしれないけど、人間としてはもうホント駄目。

作ったものは完成はしたが、一機も帰ってこない。妻には先立たれる。
字面だけ見ると相当かっこ悪い。

でも、菜穂子はそういうところも愛しちゃったんだよね。
マジで業。恋愛は業。

人間を一番にできない人に恋をした不幸。
もしかしたら幸福かもしれないけど。

ユーミンも歌ってる「ほかの人にはわからない」「ただ思うだけ けれどしあわせ」ってね。
菜穂子はあれでも幸せだったのかもしれない。

見てるこっちは胃がキリキリするけど。

思ったよりは恋愛してたんですが、恋愛映画だと思って見に行くとがっかりするかもしれない。
いや、感動してる人もいるのか。世界は広い。

実在した人物に言及するのは嫌なのですが、彼のモデルになってる堀辰雄は、
映画でいう「菜穂子」が死んだ後、他の女の人をお嫁さんにしてるんですよね。

パンフレットに書いてあったのですが、見た瞬間、「ああ男の人って」と呆れましたね。
いつまでも引きずっていろとは言わないけど、没後三年で結婚することないじゃないかって感じ。

もういっそのこと、恋愛部分だけ切り取った映画の方がよかったんじゃないかと思います。
ストイックに堀越二郎だけの映画を作ったらよかったんじゃないかと。
あれもこれもそれもって欲張りすぎではないかとね。

クリエイターとしての私はこの物語を肯定しますが、女としての私はこの物語を否定します。

もうちょっと菜穂子に救いがあってよかった。
でも、相手があの二郎である限り、菜穂子はひとり療養所で死ぬんだと思います。

シベリアを子供に差し出すシーンと、菜穂子に対する態度は似ている気がします。
本庄や黒川さんが言ったように、それは「エゴイズム」なんだと思います。

二郎のエゴで菜穂子が死ぬ。
ああ、ままならないな。


ここからは「腐女子として」の感想ですので、下ネタ・ホモネタ何でもござれです。
了承いただける方のみお読みください。



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「言の葉の庭」



新海誠監督作品「言の葉の庭」見に行って来ました。
Youtubeで見た予告篇で気になって雨の日に。
初新海作品です。

前評判の通り、雨の映像きれいでしたね。
ポツポツと降るときの雨、突然の豪雨、違いがちゃんと描かれてた。

雨音の使い方上手かったなー。
土を歩いてるときと橋を渡ったときの足音の切り替えとか演出が細かくて好きです。

肝心のストーリーですが、色々ひっかかる部分はあれど面白かったですね。

約束をしていないけど会える関係。
一度は憧れますよね。

けれど、梅雨が明けて会えなくなって、夏休み明けに学校で会う。
ベタだなーと思います。少女マンガでよくある。

雪野が先生である必要はなかったんじゃないかな。
先生じゃないと出来ないストーリーではあったんだけど、それによってありふれた物語になってしまったのではと思います。

それにしても、元教師とはいえ男子高校生を家に連れ込んでいいのか。
想いは拒絶するくせに(事情があるとはいえ)家には連れ込む。
彼女の中の禁止事項が分からない。
行動に矛盾があるのですが、それが人間っぽい。

高校生の頃、社会人ってすごく大人に見えたけれど、実際に自分がなってみれば大したものではないですよね。
迷いもすれば泣きもする。「世界の秘密そのもの」なんかではない。

これぐらいの頃の男の子って「大人の女」を神聖視しがちですよね。
雪野とタカオの性別が逆転してたらおそらくこういう物語にはなっていなかったと思う。
まあ、社会人になっても「女」を神聖視している男の人も一定数いるんだろうなー。閑話休題。

さて、作中には万葉集の短歌が引用されていますが、

『鳴る神の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ』
   ―雷が鳴って雲って雨でも降ってくれないかしら、あなたを引き止められるのに。

『鳴る神の 少し響みて 降らずとも 我は留まらむ 妹し留めば』
   ―雷が鳴って雨が降らなくても私はここにいますよ、あなたが引き止めてくれたら。


って歌らしいんですけど、雪野は返歌のようにはならないよね。
そこに留まれないのは雪野の方だ。
引き止めても彼女は田舎に帰ってしまう。ずるいよねー。

「言の葉の庭」ってタイトル、私は合っていないように思えたのですが、
同行者いわく、言葉が足りなくて伝わらない。言葉にしても伝わらない切なさではないかとのこと。

タカオがもう少し大人の男だったら、雪野の言外の思いをもっと受け取れたのかもしれませんね。
でも、まだ高校生さ。何でもできるし、どこにでも行ける。いいなー。

終わり方は見た人の解釈に任せている気がしますね。
私は多分ハッピーエンドかなって。

靴の専門学校は別に都内じゃなくてもあるんだし、行ってしまえよ四国へ。
若さは勢いだ。
思いのままに突っ走っても、余裕がある今の雪野だったら受け止めてくれるんじゃないかな。どうだろう。

入野自由の声よかった。演技ももちろん。
花澤さんはちょっと声が若かったけど、違和感はなかった。

主題歌「Rain」もよかったんですが、私は槇原verが好きだな。
深みがある気がする。音が甘いというか。
言ノ葉」の方が物語に寄り添っていて、私は好きですね。

私の好きな「雨と夢のあとに」って曲があるのですが、多分この映画にあうと思います。
2番のサビ「雨が降ったら あなたに逢えますか?」とかはぴったしです。

そうそう、靴を作るために足を採寸するシーンはよかったなー。
何にもやましい事はしていないのにどこかエロスだった。
作中どんなシーンよりドキドキしました。

同時上映「だれかのまなざし」は泣きそうになった。
ああいうベタなのに弱い。高級弁当食べたい。

見に行ってよかった。新宿御苑にいきたくなる。
実際飲酒はできないけど雰囲気を楽しみに行ってみたいな。
もちろん雨の日に。

アントニオ・ロペス展

http://www.antonio-lopez.jp/

Bunkamuraザ・ミュージアムで開催してる「アントニオ・ロペス展」行って来ました。
会場自体は平日にも関わらず混んでいて、見られないってほどじゃないけど大変でした。

絵・彫刻あわせて64点ほどの展示。
油彩、素描、木彫りにブロンズ像と色々とあって見ていてとても楽しかったです。

私は「フランシスコ・カレテロ」「カンポ・デル・モーロ」「午後の窓」が気に入りましたね。
「新しい冷蔵庫」の鍋がそのまま冷蔵庫に入ってる感じが生活感があって好きだなー。

フライヤーにも載ってる「グラン・ビア」ももちろんよかったです。
そこにあるような質感で、会場内でカップルが呟いた『写真みたい』はその通りだなーと思いました。
まあ褒め言葉になってませんが。

私は真剣に見なかったのですが(何より混んでた)、会場内のモニター映像によると
アントニオ・ロペスがこの絵を描いたのは夏の間だけだったらしいですね。
夏の光の下で描きたいと考えて、10年かかったとか。

その情熱が少しだけ恐ろしいです。
けれど、彼が巨匠と呼ばれるまでになったのは、そこまでのこだわりがあるからかもしれませんね。

「男と女」の彫刻の男の人の筋肉や骨の具合とか人体そのもので、アントニオ・ロペスの見る目の繊細さにはびっくりしました。
物を見る目、それを表現しうる正確さ。見てよかったと思います。

展覧会オリジナルグッズもよかったです。
私は何も購入しませんでしたが、ポストカードとか絵の描いてあるタイルとかポスターは気に入った絵があったら買いだと思います。

6月16日(日)までやっているようですので、興味のある方はぜひ。

「コクリコ坂から」

皆さまご存知のジブリの最新作。見に行ってきました。
監督は、宮崎駿の息子吾朗さんで二作目ですね。

はっきり言いましょう。
ゲドよりずっと面白かったです(というかゲドが酷すぎたんだと)

物語は、主人公――海が朝ごはんを作り始めるところから始まります。
ここで流れる「朝ごはんの歌」が作中の中で一番のお気に入りです。
手嶌葵も歌に柔らかみが増して、ますます歌手としての腕を上げたのではないでしょうか。

終野はTVのCMをちょろっと見ただけで、事前情報は全くないまま見に行きました。

高校の文化部部室棟、通称カルチェラタンを取り壊そうとする学校と、それを阻止したいカルチェラタンの住人。
その中に今回のお相手――風間俊がいて、海と出会い、それに海は妹共々巻き込まれていく。

恋愛と青春とちょっとのミステリーって感じでしたね。
カルチェラタンの取り壊しをどうにかしようと取り組んでいく内に、自分たちの出生の秘密について触れる。
ここはCMでも出てたし、公式サイトにもバッチリ書いてあったからネタバレじゃないですよね。

海は俊が好きだし、俊は海が好き。
だけど、もしかしたら自分たちは兄妹かも知れない。
どうしよう。

なんていうか、巷にあふれてる兄妹ものとは違って安易ではない気がします。
兄妹の恋愛ものって、それこそたくさんありすぎて、どうしても陳腐になりがちだけど、そこはジブリ。
ちゃんと新鮮さを味あわせてくれるものでした。

二人が自転車二人乗りするシーンもすきですが、海が告白するところも好き。
あの言い終わってすぐに路面電車にのってしまうのがいいですよね。
何かあるよりずっと甘酸っぱい。
最後船に乗り移るときも、抱きとめられても照れもしない海にちょっとトキメキました。

海さんといえば、作中下宿人の皆さんが海のことをメルと呼んでいて混乱しましたね。
連れいわく、フランス語で海がメールだからメルなんじゃないかだそうです。

コクリコ坂のコクリコは、おそらくポピーの花だと。
コクリコ荘にもいくつか咲いていた気がします。そういうセンスがいいなー。

劇中のご飯もやはり美味しそうでした。
アジフライを揚げる音がやばかったのです。私もお櫃買おうかな(笑)

ジブリの映画を見た後は、情報量が多くて結構ボーっとする時間が増える気がする。
この緻密な映画を一年で作っているんだから頭が下がります。

終わったあと、連れと色々話したのですが、連れの言っていた言葉がとても印象に残ってます。
ジブリ映画をみると、丁寧に生きなきゃいけない気になるらしいです。
終野もそんな気になります。

終野がジブリの映画を見ると思い出す台詞があるのです。

「雫。ひとと違う道はそれなりにしんどいぞ」

これは、「耳をすませば」雫の父親の言葉。

ジブリのキャラクターは誰一人、自分の人生に手を抜いてないですよね。
感情豊かで、生きることに一生懸命で、丁寧に生きているからかちょっとしんどそう。

現実を生きるには、彼女たちほど軽やかには生きていけないかもしれない。
ままならないことたくさんあって挫けるかもしれない。
しんどいと思うけど、ああいう風に生きるの憧れです。

塔の上のラプンツェル

塔の上のラプンツェル、見に行ってきました。
久々のディズニー映画で期待したより面白かったです。

終野は原作のラプンツェルのストーリーを知らなかったので、原作との違いが目に付くこともなく、純粋に楽しめました。
まぁ、ヒロインのお相手はかっこいい王子様ではなかったんですけど、それも良かったですね。

ラプンツェルが可愛かったです。
クライマックスのフリンの行動にやめてーと思ったのは私だけじゃないはず。
とりあえずもったいなかった。ラピュタのシータを思い出すなー。

船のシーンは本当にロマンチックでよかったです。
明かりがふわふわ飛ぶ幻想的な光景の中、現実に戻されるフリン。可哀相。
もうちょっと夢見せてやれよと思いました。

あとは、アヒルの酒場の人相の悪い夢見る盗賊たち(笑)が好きです。
なんていうか、可愛い。パントマイムの人もキューピッドの人も。

それと比べると、お母さまがひどかった。擁護できないレベルの悪者でしたね。
いちいち歌って説得するところが面白かったです。説得されちゃうラプンツェルも。

エンドロールとか、細部にもこだわりが感じられて素敵だったなー。
突っ込みどころもありますが、最後はいい感じに終わって、見てよかったなーと思いました。